原付一種に対して人気を高める原付二種
原付二種が近年人気を高めています。
普通自動車免許を取得するだけで自動的に乗れるようになる原付一種と違って、原付二種に乗るには少なくとも小型限定普通二輪免許を取得しなければならないにもかかわらずです。
実際、町を見回すと、通学や通勤にバイクを使用している人の多くが原付二種に乗っていることに気づくでしょう。
日本自動車工業会によると、原付一種は販売台数も保有台数も減少の一途をたどっているのに対し、原付二種はその需要を高めています。
原付一種の場合、ピークの1980年には197万台超も販売されていたのが、2020年にはわずか12万台ほどです。
一方、原付二種も20万台ほど売れていたピーク時と比べると販売台数は少なくなっているものの、それでも今に至るまで10万台をキープしています。
また、保有台数はむしろ増えているほどで、2020年の調査によると原付二種の保有台数は181万台強でした。
年々生産が難しくなっている50ccバイク
原付二種に比べて原付一種の落ち込みが目立つのは、そもそも生産が年々難しくなっている状況が挙げられます。
車やバイクの排気ガスにどれだけ有毒ガスが含まれていてもよいかを決める排ガス規制は、改正のたびに厳しくなっている状況です。
環境への配慮を考えると、今後さらに厳しくなることはあっても緩くなることはないでしょう。
しかし、厳しくなる排ガス規制をクリアするバイクを開発するとなると、メーカーにとっては莫大なコストがかかるため大きな問題です。
たとえ莫大なコストをかけて排ガス規制をクリアする新しい50ccバイクを開発したとしても、莫大なコストを回収するには販売価格を上げざるを得ません。
安くて気軽に乗れるのが原付一種のよいところですが、価格が高くなってはよいところが消えてしまいます。
加えて原付一種の場合、30km/hの速度制限や二段階右折など面倒なことが多いです。
となると、わざわざ高いお金を出して50ccバイクを買うぐらいなら、電動自転車でよいと考える人も多くなるでしょう。
もしくは、原付二種を取って125ccまでのバイクを買おうと考える人が増えていきます。
原付免許で原付二種に乗れるようにするために各省庁で協議中
このような状況ですので、メーカーからは原付免許で原付二種に乗れるようにした方がよいとの声が上がっています。
それを受けて、国土交通省や経済産業省、警察庁などが、その実現に向けて協議している最中です。
2025年10月が猶予とのことなので、2023年中には具体的なことが発表されると予想されています。
原付免許で原付二種に乗れるようになれば、若者のバイク離れに歯止めをかけることになるかもしれません。
少なくとも、今よりバイク業界が盛り上がることは間違いないでしょう。