アメリカはもはやバイク大国ではないという現実
日本においてもバイク離れが顕著になっていますが、それはアメリカにおいても同じことです。
アメリカといえば日本でも大人気のハーレー・ダビッドソンを擁する国ではありますが、実際のところアメリカ国内でもバイクを乗る習慣は廃れてきています。
日本においてバイクの需要減少に大きな関わりがあるとされているのが少子化による若者人口の減少ですが、それだけでなく若者全体がバイクという乗り物にそれほど興味を持たなくなってきたことも理由の一つです。
アメリカにおいても日本よりは速度は緩やかとはいえ少子化が進んでおり、不景気なども影響してバイクの需要は大きく落ち込んできています。
特徴的なのがハーレー・ダビッドソンといったアメリカのバイクメーカーの製品が急激に失速しているのに対し、ヨーロッパ系のメーカーが少しずつシェアを伸ばしてきていることです。
この変化は輸入における規制を近年大幅に緩和する傾向にあるということと、よりコンパクトで性能の高いバイクを選びたいというユーザーが増えてきたことも挙げられます。
ハーレー・ダビッドソンというブランドはもはや通用しない
日本においてハーレー・ダビッドソンが人気があるのは、高度成長期の象徴的な存在であったということによる、絶大なブランド力があるからです。
日本メーカーの大型車と比較して圧倒的な排気量であることや、かなり大作りのボディをしているところが輸入車特有のデザインとして非常に高い評価を受けているのです。
しかしメーカーとしての性能で比較をしたとき、ハーレー・ダビッドソンは決して優秀というわけではありません。
むしろメーカーコンセプトとしてわざわざクラシックバイク風の構造を維持していることから、メンテナンスがしづらく維持にかかるコストが高くなってしまいます。
アメリカにおいてハーレー・ダビッドソン離れが進んでいるのもそうした金銭的な問題があるためで、「ハーレーオーナーになる」ということそのものに価値を感じる人が減少してきています。
広大なアメリカ大陸をバイクで横断するという場合においても、壊れやすいハーレー・ダビッドソンよりもより高性能なドゥカティやBMW、または日本メーカーのバイクを使いたいという人が増加しており、それがアメリカンバイクの不人気へと繋がっているのです。
アメリカ産のものを購入しようという「バイアメリカン」も若い世代に行くほど意識が希薄となっており、必ずしもアメリカ製でなくてはいけないという意識は既に過去のものとなりました。
むしろハーレー・ダビッドソンはアメリカ国内よりも日本での売上を重視しているくらいで、日本の正規代理店では積極的な営業展開やきめ細かいサービスを提供しています。