日本国内生産バイクが消える日が来る?バイク業界の今後の動向について解説

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世界一のバイクメーカーなのに国産品は危機にある

日本においては需要が年々縮小傾向にあるバイク製品ですが、東南アジア諸国などではかなりニーズがあります。

海外旅行をしたことがある人なら分かると思いますが、中国やベトナムなどでは街中に溢れんばかりのバイクが走行しています。

中でも目立つのはホンダのSuperCubで、これは世界で最も売れている車種としてもよく知られているものです。

日本におけるバイクメーカーと言えばホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社によって独占されていますが、世界全体のバイク売上台数のうち第3位までが日本メーカーとなっています。

それだけ圧倒的なシェアを誇っている日本のバイクですが、実際にそれらを製造しているのは日本国内ではなく現地に置かれた工場である事が多いのです。

日本国内を走行しているバイクにおいても同じことで、日本で乗るバイクが海外で作られ、それが輸入されてくるという状態がかなり加速しています。

特に小型バイクにおいては海外へ生産拠点を移す動きが進んでいるので、国内で生産されているバイクは大型高級車のみというのが実情です。

今後ますます日本国内のバイクの需要は減少していくことが考えられますので、近い将来全てのバイク製造が海外で行われることにもなる可能性があります。

既にバイクの技術は成熟段階にあります

1900年頃から急速に一般向けに普及するようになった自動二輪ですが、開発開始から100年以上が経過したこともあり、既にバイクという乗り物の技術は成熟段階にあります。

電気自動車や新型の電装制度といったような細かな技術の進化はありますが、自動二輪という乗り物自体は今後大きく変化することはないでしょう。

言い換えれば、いくら日本のバイクメーカーが優れた開発力を持っているとしても、他のメーカーを圧倒するような技術力となることは少なくなります。
むしろ、現在技術力が不足していると言われる先進国のバイクメーカーが、技術的に追いついてくるということも考えられます。

どのメーカーでも性能に大きな違いがないという状態になったとき、競争の要因となるのが価格面です。

日本国内で製造するよりも、既に大型工場でどんどん製造が進められている海外に製造拠点を構えた方が価格への訴求力が強くなるのは明確であるため、今後は縮小傾向にある国産バイクもどんどん海外産へと変化していくことでしょう。

「モノづくり大国」と言われてきた日本ですが、既に国内で実際にモノを作る人は少なくなってきているというのが世界的な流れです。
今後10年以内に大手メーカーのそうした動きが見られるようになるのではないか、と予想されています。