独自のスタイルが魅力のカワサキバイク
カワサキは元々が川崎重工業という社名で、造船業を行っていました。
社名になっているカワサキは創業者の名称であり、川崎市とは全くの無関係です。
1969年にモーターサイクルH1というバイクを発表して以来、独自の戦略と独自のスタイルを気付いてきたバイクメーカーです。
カワサキと言えばZですが、カワサキの戦略は国内では無く、1975年にはすでにアメリカで生産を開始していた事から、常に世界に目を向けていた事がお判りいただけるでしょう。
大型バイクを主力とし、他のメーカーとは一味違ったカワサキの魅力の一つになっています。
カワサキの特徴としては、その独自のスタイル性と、ぶれない一貫性のある技術力でしょう。
こうした技術力の高さは海外でも人気の高い、カワサキのブランド力を不動のものにしています。
しかし突如80年代に、空冷エンジンを積んだ400ccゼファーを発表します。
時代錯誤と思われたこのバイクは、遊び感覚というニーズを産み出し、新たなモーターサイクルブームに火をつけたのです。
カワサキW800スタイル
カワサキのW800シリーズは長い歴史があり、Zとは違う形で歩んできました。
Zは川崎の顔とも言えるブランドですが、Wは元々別な会社であった「メグロ」の系譜を持っています。
現在でも、多くのファン層を持っているメグロですが、戦前からある目黒製作所がこのマシンの製作を行っていました。
1964年の倒産により、それまで業務提携を行っていたカワサキに、メグロは引き継がれる事になったのです。
目黒の特徴に挙げられるのは、そのエンジン美と言われるほどの造形の深さにあるでしょう。
メグロと言えば「ダブルワン」から始まった系譜ですが、それは脈々と受け継がれており、2011年に発表されたW800に集約される事になります。
W800はW650をボアアップした形で継承されました。
W800のスタイルの特徴は、何と言ってもダブルワンから引き継がれてきた、そのクラシカルなスタイリングでしょう。
カワサキでも好みが大きく分かれるZとWですが、そもそも完全に路線が違っていますので、比較対象にはならないのです。
カワサキW800パワー
現行モデルは、2015年のカワサキW800にきちんとひおき継がれており、そのクラシカルなスタイルとパワーは、見事に引き継がれているといってもいいでしょう。
前回までのW650のローハンドル仕様が継承されており、シート高は10㎝ほど若干低くしている事で、5kほど重量が増した分足つき性を重視しているようです。
総重量が216㎏と、決して軽いとは言えませんが、Wの魅力である重量感とクラシカルなフォルムを、プラスチックの多用による軽量化で、消さない心遣いが垣間見えるようです。
排気量が増えた分加速度が増したかと思いきや、逆に安定したパワー走行が実現できる乗りごこちになっています。
これは低速でも中速でも変わることなく、スムーズで突然の突風にもびくつかない安定性があるでしょう。
乗り心地が安定している為に、コーナーリングもストレスの無い小回りが行えますし、ハンドルを介してその動きが自由に動ける事が好ポイントです。
ツーリングには最適のマシンと言えるでしょう。